とと姉ちゃん|暮しの手帖の創刊号から第5号までの中身!売れなかった

 

朝ドラ『とと姉ちゃん』では、常子と花山伊佐次らの

「あなたの暮し」は創刊号で直線裁ちの特集がヒットして

3万部も売れることになります。

 

しかし、その後が続かなくなり売り上げは低迷し、あなたの暮し出版の経営も

危機を迎えることになります。

 

ところが背水の陣で迎えた第6号のホットケーキの特集が大いにウケて、

息を吹き返すことになります。

 

その後は会社の経営も安定し様々な名物企画も登場するでしょうが、

やはり創刊時は苦労するものです。

 

このあたりはモデルとなっている「暮しの手帖」が辿った道とやや似ています。

 

同誌は「あなたの暮し」とは異なり、創刊号から売上に苦戦し、

一時は会社の経営危機を迎えます。

 

ところが第5号が爆発的にヒットして、それととものバックナンバーも売れはじめ、

危機的な状態を脱します。

 

第6号以降は経営も安定し、様々な企画や特集を生み出すことになります。

 

そんな「暮しの手帖」の創刊号から第5号までの中身や内容をご紹介します。

 

コンテンツ

創刊号の内容

 

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昭和23年(1948年)9月

 

暮しの手帖1

 

(写真)

可愛い小もの入れ

直線裁ちのデザイン

ブラジアパッドの作り方

自分で結える髪

 

(カラー)

シンメトリイでないデザイン

自分で作れるアクセサリー

ちょっとした暮しの工夫

お母さまが作ってやれるオモチャ

ピーターパン(木田久)

指人形の作り方

 

(読み物)

色彩…佐多稲子

女のくらし…小堀杏奴

背広…扇谷正造

たべもののこと、すまいのこと…廉常清佐

秋袷…森田たま

地獄極楽園…田宮虎彦

小もの入れ…草加やす子(花森安治)

足袋…川端康成

衣食住小記…土岐善磨

真の美しさ…中原淳一

服飾の読本…花森安治

あとがき…S

 

創刊号は写真ページカラーページをふんだんに使うという

当時としては斬新な構成でした。

 

さらに執筆陣も川端康成や田宮虎彦といった大物小説家や

著名な評論家の扇谷正造、随筆家の森田たまを揃えるなど

豪華なラインナップ

 

また「草加やす子」は花森安治のペンネームで、あとがきのSは大橋鎭子です。

 

鎭子の創刊号のあとがきは名文として知られています。

 

それにも関わらず売れませんでした(初版は7000部のみ)

 

第2号の内容

 

昭和24年(1949年)1月

 

暮しの手帖 2号

 

(写真)

焼跡の煉瓦で作った暖炉

お家で着るもの

紺ガスリの畳べりと一吊の坐ぶとん

お手洗いを美しく

手袋を縫いましょう

毛糸の服は色で着るもの

オーバアの要らない冬の服

自分で作る春の帽子

台所に椅子をおく

自分で結える髪

男のひとのディッキー

 

(カラー)

十九世紀仏蘭西の衣裳

ちいさな手帖

手袋の実物大型紙

春の帽子の作り方

五つのえんどう豆(木田久、藤城清治)

 

(読み物)

家庭の幸福…小堀杏奴

陰陽の調和…平塚らいてう

模様…森三千代

心の手洗い…ささきふさ

樹を植える…大佛次郎

かなしいのら着…石井桃子

服飾の読本…花森安治

 

第2号は創刊号の不振から写真ページを大幅に増やして

読み物を削るという工夫がなされているのがわかります。

 

また執筆陣も引き続き平塚らいてうや大佛次郎といった大物を起用しました。

 

そんな努力も空しく、第2号も売れませんでした。

 

第3号の内容

 

昭和24年(1949年)3月

 

暮しの手帖 3号

 

(写真)

男の子の部屋着

竹を利用する

押入れを上手に使う

台所のちいさな工夫

台所で暮らす

春の直線裁ち

四つのエプロン

コドモの靴はお母さまの手で

自分で作れるバッグ

春はブラウスの季節です

切紙細工を美しく使う

ベレのかぶり方

ボロ屑からでも

昼はソファ夜はベッドに

 

(カラー)

女の子の着物

 

(読み物)

しゃれたバッグの作り方

マリア様と軽業師…木田久、藤城清治

れんず…幸田文

桃と柳の雛祭り…壺井栄

病床詩集…高見順

わたしの生活から…天野貞祐

美しい暮しについて…坪田譲治

ミュンヘンのバイオリン屋…工藤昭四郎

一坪花壇の作り方…小石川植物園

服飾の読本…花森安治

 

第3号ではカラーページを削って、さらに写真ページを増やしています。

 

コスト増が想像できますが、これは読者の視覚に訴えることを重視した

花森安治の執念ともいえる所業です。

 

壺井栄、高見順、幸田文ら当時の人気作家も起用しましたが、

またしても売れませんでした。

 

ちなみにこの号に唯一の掟破りとも言える広告が入っています。

 

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第4号の内容

 

昭和24年(1949年)7月

 

暮しの手帖 4号

 

(写真)

長いのれん

蠅のれんと日よけ

フスマ障子を外す

足もとの工夫

花と灯と

うちわを作り直す

コドモでも出来るクレヨン染め

おセンタクをもっと愉しく

これが直線裁ちです

涼しい真夏の部屋着

コドモの直線裁ち

夏の男の服

誰にでも似合うピケ帽の作り方

 

(カラー)

ゆかたで作る

スガンさんの山羊(木田久、藤城清治)

 

(読み物)

田舎家…森田たま

生活の美しさについて…岸田國士

器具…室生犀星

わが衣食住…河盛好蔵

木のこと…井伏鱒二

デンマークの娘…エレン・ニイルソン

キモノの夢…瀧澤秀雄

梵字くづし…幸田文

泉よ、どこから…堀内大学

化粧について…野間宏

ゴマじるこの作り方…平塚らいてう

 

大橋鎭子が日本興業銀行からの融資に成功した後に出した第4号ですが、

前号と同じようなつくりでお金をかけていることがわかります。

 

また前身の「スタイルブック」から好評だった直線裁ちの記事も

大量投入しています。

 

平塚らいてう、井伏鱒二、堀口大学らの執筆陣も豪華でしたが、

またしても売れずに背水の陣に追い込まれます。

 

第5号の内容

 

昭和24年(1949年)10月

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

(写真)

紺がすりの美しさ~のれん・きもの・はなお・直線裁ち・バッグ・

傘・帽子・スカート・弗入れ・煙草入れ・ふとん・ふすま

物置小屋を改造して

和服の雨服の工夫

傘を張りかえる

ザルを使って

坐る暮しから腰掛ける暮しへ

卵のカラでモザイクする

買物の手帖

スカーフの使い方

 

(カラー)

部屋を改造する

小ものの作り方

アポロの馬車(町田仁・藤城清治)

 

(読み物)

やりくりの記…東久邇宮成子

バナナは皮を食う…牧野富太郎

萬葉人の暮し…佐佐木信綱

雑談…森田たま

長杉と竹椅子…森於莵

家について…芹澤光治良

生活と美…柳宗悦

服飾の読本…花森安治

 

第5号は元皇族の東久邇宮成子さんの記事が大反響で、

はじめて大きな売上を記録します。

 

これ以降は暮しの手帖の売上も安定し、同誌もロングセラー雑誌と

なっていきます。

 

ちなみにこの号の大橋鎭子のあとがきが非常に印象的です。

 

「今やっと、ここまで来ました…第一号は赤字でした。

第二号も赤字でした。今だから申せるのですが、

 

そのために昨年の暮れは、正直に申して生れて初めて、

私たち、お餅をつくことも出来ませんでした(以下、略)」

※原文ママ

 

このようなあとがきを記載したことや初めて大物作家を用いなかったことから、

やはり鎭子や花森は東久邇宮さんの記事がヒットすることを確信

していたようですね。

 

このようにリアルの大橋鎭子や花森安治は相当な苦労と努力をして、

同誌を人気雑誌に押し上げていったのでした。

 

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